導入事例#02 小林製薬株式会社さま 〜商標登録件数全国第6位の知財部が考える、知財×DX化〜

はじめに

昨年、年間の商標登録件数が全国6位(※1)に上がるほど、日々膨大な商標調査を行っている小林製薬株式会社様。現在、TM-RoBoを導入いただき、事業部による商標調査を視野に入れてご利用いただいております。今回は、「調査ツールを探したきっかけ」から「知財×DX化」に対するお考えまで、グループ統括本社 法務知財部 国内知的財産グループの課長鈴川さま、主任竹野さまへお話を伺いました。

   ※1 特許庁ステータスレポート2021 P,30「商標登録件数上位10社(国内企業)」より

 

小林製薬株式会社グループ統括本社 法務知財部 国内知的財産グループ 課長鈴川さま(左上)、主任竹野さま(右上)
弊社代表岩原(下)

 

※以下より敬称略

Q、商標調査ツールも探そうと思ったきっかけは何ですか?

鈴川:弊社は商標の調査件数がとても多く、単純に一つ一つ称呼を入力して検索するのが非常に大変だったということが大きな理由です。弊社の場合は、商標出願から登録に至るまでに先行して商品を発売することもあるので、他社商標などがあった場合に仮に見落としをしていると、発売中止や商品の回収といった大きなリスクにも繋がってしまいます。しかし、毎日膨大な量の調査を行っていると、どうしても人間の目だけでは見落としてしまう可能性も出てきます。そこで、J-PlatPatと併用して漏れがでないようにカバーできるシステムを探していたところ、TM-RoBoにたどり着きました。

 

 

Q、上記のきっかけのもと、弊社TM-RoBoをお選びいただいた具体的な理由があれば教えてください。

竹野:選んだ大きな理由は、検索結果のソート機能がついている点です。J-PlatPatでも称呼基準というソート機能はありますが、拾いきれないことも多いです。また、J-PlatPatでの調査では、分離観察されうる商標の一部(以下、分割語)を“称呼(類似検索)”で検索すると、何百という商標が出てくることがあるのですが、明らかに類似でないものも含まれていたり、またロゴなどで類似のワードがどこに含まれているのか分かりづらいものが混ざっていたりすることもあるので、これらの全てを一つずつ目視で確認していくというのは、ミスを誘発する要因の一つでした。

TM-RoBoであれば、上から似ている順に並べ替える機能が付いているので、確認しなければならない商標の件数が大幅に少なくなり、効率的かつミスなく調査を行うことができるようになりました。これまで見逃していた部分を漏れなく確認できるようになったというところは、TM-RoBoを導入してとても良かったと実感している部分です。

 

 

Q、TM-RoBoの精度やUIは、商標の専門知識がない方でもご利用いただけそうでしょうか?

鈴川:そうですね、称呼調査の精度に関しては評価できると思います。ただ、UIといいますか、特にTMSやTMRといった語句は、商標調査を専門に行っていないマーケティング部門の者には、その意味がわかりづらいかもしれません。私もたまに「あれどうだったかな?」と部署メンバーに確認してしまうこともあるので、TMSなどの語句が何を指しているのかひと目で理解できる表現でも良いかもしれません。

 

竹野:TMSやTMRの意味をしっかりマーケティング部門が理解したとしても、全てを現場に一任するというのは、損害リスクへのケアなどを考えると難しいと思っていますので、やはり知財部門が最終判断を行う形で運用していく必要はあると思っています。

一方で、結合商標を調査するときなどは、TM-RoBoを使うことにより、最終的な組み合わせの判定結果だけではなく、個々の分割語の識別力の有無を確認することができます。過去の審決例など識別力の判断結果の根拠が提示されるケース等では、TM-RoBoだと自動的に識別力なしと判断してくれるので、専門的知識を持っていれば有効に利用できると思います。

 

鈴川:特許庁が付与している称呼だけに頼ると、調査漏れする可能性が否定できないため、調査商標によっては、部分一致などの調査を別途、他のデータベースで行うことがあります。更に、TM-RoBoが特許庁付与称呼の問題にも対応し、ワンストップで結果を出してくれるようになれば、商標の専門知識がない者だけで調査が完了するというさらなる可能性が広がりそうです。

 

 

Q、年間6位(※1)に上がるほど膨大な商標調査を行う貴社だからこそのDX化に対するお考えを聞かせてください。

鈴川:現在、会社全体でAIツール導入の検討やDX化の流れはもちろんあるのですが、知財部門では、商標調査、特許調査などの調査業務の作業量の多さを改善したくて、5年ほど前からAIを活用した調査の効率化に着手しています。業務改善をしていく中で、AIをはじめとするIT技術との連携は切り離せない関係であると考えています。TM-RoBoの導入以外にも特許事務所との書類のやり取り、手続き書面の作成など、どうしたら効率化できるのか、電子的にうまく処理する方法を常に検討し続けています。

 

 

Q、知財は他部署に比べてまだまだ課題の多い業界だと思いますが、貴社が率先してDX化を推進する上でのコツなどはありますか?

竹野:知財業界全体の状況を把握している訳ではないのですが、弊社では、知財業務は、むしろAIツールを取り入れDX化を図ることに適した業務と考えています。というのも、商標でも特許でもそれぞれの審査基準などの基本的なルールに加え、裁判例、審決例などを参考にしながら業務をしているので、AIで結論を推定しやすい分野だと思っており、私としては、商標調査に関しては特にDX化しやすい分野だと思います。

 

鈴川:AIが文字列から言葉の意味を理解するということは現状まだ難しいところもあると思うので、100%のスーパーな回答を出してくれるというような勘違いをせず、AIの特性を理解して活用することができれば、DX化は進められると思います。

 

<オンラインにて取材にご協力いただきました!>

 

 

Q、現在、外部へ調査依頼をかけているとのことですが、最終的には、AI+内部調査での完結を目指していますか?

鈴川:はい、理想はそうですね。ただやはり、判断に悩むものやリスクの高いものは今後も外部へ調査依頼を出す形になるとは思います。特に商品名などのパッケージに落とし込む文言は、より慎重に考えざるを得ないと思っています。そこまで内部調査できたら良いのですが、なかなか現実的には難しいところがあります。段階的に、内部調査のみで完了するものと外部へ依頼するものを分けて考えられるようにはなりたいと思っています。

 

 

Q、他社へのTM-RoBoのお勧めポイントがあれば教えてください。

竹野:業務効率化と見落としリスクの低下を叶えるのに適したツールになる可能性があると思います。特に、弊社のようにかなりの作業量が発生している企業であれば、効果はより高いと感じています。ただ、TM-RoBoの導入には相応のコストがかかりますので、しっかりと社内での利用価値を見出して社内に説明する必要はありますね。もう少し調査件数が少ない方々にも気軽に利用できるようなリーズナブルなプラン(※2)があれば、より導入しやすくなるのではないかと思います。 

 

 

(取材日:2021年4月5日)

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小林製薬様、「知財×DX化」に対するお考えやTM-RoBoに対する貴重なご意見まで誠にありがとうございました。

※2 最後の質問で小林製薬様にもご意見いただきましたが、現在、「年間の新商品開発が少ない方」「新規事業を始めるにあたって会社名・サービス名などピンポイントで商標出願を検討している方」「季節等により商標調査件数の変動が大きい方」など、現行の月額プランでのご利用は難しいというお客様へおすすめのプランを検討中です!調査した回数に応じて無駄なく利用可能なため、お気軽にご利用いただけます。

追って、正式なリリースを行う予定ですが、すでにご興味をお持ちの方はinfo@ip-robo.co.jpへ直接お問い合わせくださいませ。