商標を先に取られたら?弁理士が教える逆転の法的戦略7選
目次
あなたが大切に育ててきたブランド名やサービス名が、まさか誰かに先に商標登録されてしまった…。そんな絶望的な状況に直面し、今、頭を抱えていませんか?事業の継続やブランド価値への不安で、心が重くなっているかもしれませんね。
でも、安心してください。諦めるのはまだ早いです!この問題には、実はいくつかの「逆転の法的戦略」が存在します。弁理士である私が、あなたの大切な事業を守るために、具体的な7つの選択肢をわかりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、次に何をすべきか、具体的な解決策と自信を手に入れ、前向きに次の行動へと移せるようになるでしょう。
この記事からわかること
- 先に取られた商標トラブルで、まず冷静に確認すべき点がわかります。
- あなたの状況に合わせた、商標を取り返す・使い続けるための戦略がわかります。
- 裁判だけでなく、交渉で問題を解決する現実的な方法が身につきます。商標トラブル時に、絶対にやってはいけないNG行動が理解できます。
- 将来の商標トラブルを防ぐ、大切なブランドを守るための知識が身につきます。
- 弁理士に相談する際の、成功させるための準備とコツがわかります。
記事を読み終える頃には、先に取られた商標の問題を解決し、大切なブランドを守るための具体的な行動が自信を持ってとれるようになります。
この記事の監修者
岩原 将文
株式会社IP-RoBo(TM-RoBo運営会社) CEO 弁護士
主として、特許、著作権その他の知的財産権に関する相談、契約、訴訟等を行う。大学・大学院時代には、機械学習に関する研究を行っていた。
関連リンク

商標を先に取られた!まず冷静に確認すべき3つのポイント

せっかく苦労して開発した商品やサービスに付けた名前が、知らないうちに他人に商標登録されてしまっていた!そんな事態に直面し、慌てている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、まずは落ち着いて、状況を正確に把握することが重要です。ここでは、弁理士の視点から、商標を先に取られてしまった場合に、あなたがまず確認すべき3つのポイントを解説します。
ポイント1:相手の商標登録日とあなたの使用開始日
商標権は、登録された日から効力を生じます。そのため、相手の商標登録日と、あなたがその商標を実際に使用し始めた日を比較することは、非常に重要です。
もし、あなたが相手より先にその商標を(不正競争の意図なく)使用しており、かつ、相手の登録日よりも前に使用を開始していた場合、「先使用権」という権利が認められる可能性があります。これは、商標法第32条に定められており、「登録異議の申立て」や「取消審判」において、あなたの事業を守るための強力な武器となり得ます。
詳しくはこちら
特許庁「登録異議の申立て」をご参照ください。
ポイント2:相手がその商標を実際に使用しているか
商標登録されたからといって、必ずしもその商標が実際に使われているとは限りません。商標法第50条では、「登録商標を日本国内で指定商品又は指定役務について継続して3年以上使用しない商標」は、「不使用取消審判」によって登録が取り消される可能性があります。これは、不使用商標の蓄積を防ぎ、眠っている権利を整理するための制度です。
もし、相手が登録した商標を長期間、または全く使用していないのであれば、「不使用取消審判」を請求することで、相手の登録を取り消せる可能性があります。相手が商標を使用しているかどうかの調査は、この点を確認する上で不可欠です。
詳しくはこちら
特許庁「あなたが考えたその商品名、本当に使って大丈夫ですか?」をご参照ください。
ポイント3:登録された商品・サービスの範囲は自社と重複するか
商標権は、登録された「指定商品・役務(サービス)」の範囲内でのみ効力を持ちます。つまり、相手が登録した商標が、たとえあなたの使用している商標と同じであっても、指定商品・役務が全く異なれば、直ちに権利侵害とはなりません。例えば、あなたが「りんご」という名前で「青果物」の商標を登録していたとします。そこに、相手が「りんご」という名前で「コンピュータソフトウェア」の商標を登録していた場合、指定商品・役務が全く異なるため、基本的には問題にならないことが多いです。
相手の登録内容を詳細に確認し、自社の事業との重複度合いを正確に判断することが、今後の戦略を立てる上で極めて重要です。
詳しくはこちら
【状況別】商標を取り返す・使い続けるための逆転法的戦略4選

せっかく大切に育ててきたブランド名や商品名が、他人に先に商標登録されてしまった!そんな絶望的な状況に陥っても、諦める必要はありません。弁理士が、あなたの権利を守るための具体的な法的戦略を解説します。状況に応じて、これらの戦略を駆使することで、商標を取り返したり、そのまま使い続けたりすることが可能です。
- 戦略1:商標掲載公報発行から2ヶ月以内が勝負!「商標登録異議申立」
- 戦略2:3年以上使われていない商標は取り消せる!「不使用取消審判」
- 戦略3:「そもそも登録がおかしい」と主張する「商標登録無効審判」
- 戦略4:先に使っていた事実で対抗!「先使用権」の主張
戦略1:商標掲載公報発行から2ヶ月以内が勝負!「商標登録異議申立」
商標が登録された後に発行される「商標掲載公報」の発行日から2か月以内であれば、「商標登録異議申立」が可能です。これは、特許庁の判断について、「この商標は登録されるべきではない」と、第三者が特許庁に登録異議を申し立てる手続きです。例えば、あなたの商標と類似しているにも関わらず、不正な目的で出願された場合などに有効です。異議申立が認められれば、相手の商標登録は取り消されます。
戦略2:3年以上使われていない商標は取り消せる!「不使用取消審判」
他人が取得した商標が、登録されてから3年以上、実際に使用されていない場合、「商標登録の取消し」を求めることができます。これは「不使用取消審判」という手続きによります(商標法第50条)。もし、相手がその商標を積極的に使用していないのであれば、あなたのブランドを守るチャンスです。審判で、相手が「継続して3年以上使用していない」ことを証明できれば、その商標登録は取り消されます。
戦略3:「そもそも登録がおかしい」と主張する「商標登録無効審判」
相手の商標登録が、法律の定める登録要件を満たしておらず、「そもそも登録されるべきではなかった」と主張できる場合があります。このような場合に利用できるのが「商標登録無効審判」です(商標法第46条)。例えば、あなたの商標と酷似しており、混同を生じさせるような商標が登録されている場合や、公序良俗に反するなど、登録要件を満たさないケースが考えられます。この審判で登録の無効が決定すれば、その商標は初めから存在しなかったものとみなされます。
戦略4:先に使っていた事実で対抗!「先使用権」の主張
たとえ相手が先に商標登録をしていたとしても、あなたがその商標を、相手の出願よりも前から、「日本国内で継続して使用していた」という事実があれば、「先使用権」を主張できる可能性があります(商標法第32条)。これは、登録主義の原則に対する例外規定です。相手の登録商標と同じ商品・役務について、「不正競争の目的」なく使用していたことおよび需要者の間で広く認識されていることを証明できれば、その範囲内で、あなたの使用が認められます。
詳しくはこちら
特許庁「あなたが考えたその商品名、本当に使って大丈夫ですか?」をご参照ください。
この先使用権の主張は、相手の商標登録を無効にするものではありませんが、あなたの事業継続を可能にする強力な権利です。証拠(使用していた時期を示す資料など)をしっかりと準備することが重要です。
法的手段だけじゃない!交渉で解決を目指す現実的戦略3選

商標を先に取られてしまった場合、法的な対抗手段を検討する前に、まずは冷静に交渉による解決を目指すことが重要です。特許庁も注意喚起しているように、悪意のある商標の先取り出願も存在しますが、必ずしも敵対的な解決が最善とは限りません。ここでは、事業継続とブランド価値を守るための、現実的かつ効果的な交渉戦略を3つご紹介します。
戦略5:お金で権利を買い取る「譲渡交渉」
相手方が取得した商標権を、自社が買い取るという方法です。これは、自社がその商標をどうしても使いたい、かつ事業への影響を最小限に抑えたい場合に有効な手段となります。
譲渡交渉のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
|
|
費用相場と交渉を有利に進めるコツ
譲渡交渉の費用相場は、商標の知名度、登録された商品・役務の範囲、そして相手方の意向によって大きく変動します。具体的な金額はケースバイケースですが、数万円から数百万円、場合によってはそれ以上になることもあります。
交渉を有利に進めるためには、まず、自社がその商標を使用することの重要性や、将来的な事業展開における計画を具体的に説明することが大切です。また、相手方にとっても、商標権を維持することの負担や、将来的な権利行使の難しさなどを丁寧に伝えることも有効でしょう。必要であれば、弁理士などの専門家に相談し、客観的なアドバイスや交渉代理を依頼することも検討してください。
戦略6:使用料を払って共存する「ライセンス契約」
相手方の商標権を維持させたまま、自社がその商標を使用する権利を得る方法です。これは、相手方との対立を避けつつ、自社の事業を継続したい場合に有効な選択肢となります。
ライセンス契約のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
|
|
契約時に必ず確認すべき注意点
ライセンス契約を結ぶ際には、以下の点を必ず確認しましょう。
- 使用範囲: どのような商品・役務に、どのような地域で商標を使用できるのかを明確に定めます。
- 使用料: 金額、支払い時期、支払い方法などを具体的に取り決めます。
- 契約期間: 契約の有効期間と、更新の有無について確認します。
- 解除条件: どのような場合に契約が解除されるのか、その条件を明確にします。
契約内容が不明確なまま進めると、後々トラブルの原因となる可能性があります。
詳しくはこちら
特許庁「あなたが考えたその商品名、本当に使って大丈夫ですか?」もご参照ください。
戦略7:被害を最小限に抑える「戦略的名称変更」
どうしても商標権の問題を解決できない場合や、紛争のリスクを避けたい場合に、自社のブランド名称を変更するという選択肢もあります。これは最終手段とも言えますが、長期的な視点で見れば、事業の継続性を確保し、より大きな損害を防ぐための賢明な判断となることもあります。
名称変更の判断基準とタイミング
名称変更を検討すべきかどうかの判断基準としては、以下のような点が挙げられます。相手方との交渉が全く進まない場合。紛争が長期化し、事業運営に多大な支障が出ている場合。訴訟リスクや損害賠償請求のリスクが非常に高い場合。タイミングとしては、早期に問題を発見し、紛争が深刻化する前、あるいは事業への影響が最小限のうちに行うことが望ましいです。
リブランディングを成功させるためのステップ
名称変更は、単に名前を変えるだけでなく、ブランド全体の再構築(リブランディング)として捉える必要があります。成功させるためには、以下のステップを踏むことが重要です。
- 新名称の選定: 既存の商標権との抵触リスクを回避できる、オリジナリティのある名称を選びます。
- ブランドコンセプトの再定義: 事業の強みや将来像に基づき、ブランドの核となるメッセージを明確にします。
- デザイン・ロゴの刷新: 新しい名称に合わせた、統一感のあるデザインやロゴを作成します。
- 社内外への周知: 従業員、顧客、取引先など、関係者へ丁寧に告知し、理解を求めます。
- マーケティング戦略の展開: 新しいブランドイメージを効果的に伝えるためのプロモーション活動を行います。
名称変更は大きな決断ですが、これを機にブランドをさらに進化させるチャンスと捉え、慎重かつ計画的に進めましょう。
商標トラブルで絶対にやってはいけない3つのNG行動

「商標を先に取られてしまった!」そんな事態に直面すると、パニックになってしまうかもしれません。しかし、冷静さを失い、間違った行動をとってしまうと、状況をさらに悪化させる可能性があります。ここでは、商標トラブルで絶対に避けるべき3つのNG行動について、弁理士が解説します。これらの行動を避けることで、あなたの事業とブランドを守るための道が開けるはずです。
NG1:警告を無視して商標を使い続ける
商標権者から「警告書」や「使用停止のお願い」といった書面が届いた場合、決して無視してはいけません。これは、相手方があなたの商標使用に対して法的措置を検討しているサインです。商標法では、他人の商標権を侵害した場合、差止請求(商標の使用をやめさせること)だけでなく、損害賠償請求を受ける可能性があります。
詳しくはこちら
特許庁「あなたが考えたその商品名、本当に使って大丈夫ですか?」をご参照ください。
警告を無視して使用を続ければ、悪意があったとみなされ、損害賠償額が高額になるリスクも高まります。
NG2:準備不足のまま相手と直接交渉する
警告を受けた際、感情的になったり、十分な準備ができていないまま、相手方と直接交渉しようとするのは危険です。商標トラブルは、法律や過去の判例に基づいた専門的な知識が不可欠です。相手方が法的な知識を持っていた場合、あなたの不利な条件を押し付けられたり、意図せず権利を放棄してしまうような発言をしてしまう可能性があります。
詳しくはこちら
特許庁「自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意)」をご参照ください。
このような状況では、専門家である弁理士に相談し、状況を正確に把握した上で、戦略的に交渉を進めることが賢明です。
NG3:すぐに諦めて安易に事業やサービス名を変更する
商標トラブルに直面すると、「もうダメだ…」と諦めて、事業名やサービス名を安易に変更してしまう方もいらっしゃいます。しかし、これは非常に残念な選択肢であり、多くの場合、回避できる可能性があります。
商標権侵害の判断は、登録された商標と、あなたが使用している商標が「類似」しているか、「指定商品・役務」が「同一または類似」しているか、という複雑な要素で決まります。場合によっては、相手の商標登録が無効になる可能性や、あなたの商標使用が権利侵害にあたらないケースも存在します。安易に変更してしまうと、これまで築き上げてきたブランドイメージや顧客からの信頼を失うことになりかねません。まずは、諦める前に弁理士に相談し、法的な観点からあなたの権利や事業を守るための戦略を検討しましょう。
二度と同じ失敗をしないためのブランド防衛術

せっかく育て上げた大切なブランド。でも、もし「先に商標を取られてしまったら…」。そんな不安を抱えているビジネス担当者・経営者の皆様へ。このセクションでは、商標を先に取られてしまったという、まさに「後出し」の状況を打開し、事業継続とブランド価値を守るための具体的な法的戦略と、そもそもそのような事態を防ぐための、強力なブランド防衛術を弁理士が解説します。この記事を読めば、あなたは自信を持って次の行動に移れるはずです。
事業構想段階で必須の「商標調査」のやり方
「まさか、こんなに早く商標を取られるなんて…」そう後悔する前に、事業を始める前段階で必ず行うべきことがあります。それが「商標調査」です。これは、あなたが使おうとしている商品名やサービス名が、すでに他社によって商標登録されていないか、あるいは、類似の商標が登録されていないかを調べる作業です。
商標法では、後から同一または類似の商標を登録することを原則として認めていません(参考:商標法第4条第1項第11号)。このため、調査を怠ったまま事業を開始し、後から「商標権侵害」を指摘されると、多額の損害賠償を請求される可能性もあります。
詳しくはこちら
特許庁「あなたが考えたその商品名、本当に使って大丈夫ですか?」をご参照ください。
商標調査は、特許庁のウェブサイトにある「J-PlatPat(ジェイプラットパット)」という無料のデータベースで簡単に行えます。まずは、ご自身のビジネスで使う予定の名称と、類似する可能性のある名称をいくつか入力して検索してみましょう。もし、類似の商標が見つかった場合は、弁理士に相談することをおすすめします。
ビジネスを守る最大の武器は「早期の商標出願」
商標調査で問題がなかったとしても、安心してはいけません。あなたのビジネスを法的に守る最も強力な手段は、「早期の商標出願」だからです。商標権は、原則として、「誰よりも早く出願した者」に与えられます(参考:商標法第8条)。つまり、あなたが商標登録をしないまま事業を進めている間に、もし他の誰かがあなたの使用している名称と同じか類似の商標を登録してしまったら、その権利者から、あなたの事業活動を停止されるリスクが生じます。
「先に使っていたのだから、自分の権利のはずだ!」と思いたくなるかもしれませんが、残念ながら、商標の世界では「先使用」だけでは権利は認められにくいのが現状です。最近では、悪意を持って他人の商標を先取りするような出願も報告されています。
詳しくはこちら
特許庁「自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意)」をご参照ください。
事業の構想段階、あるいは事業開始直後の早い段階で、必ず弁理士に相談し、商標出願を行いましょう。出願から登録までには通常半年から1年程度かかります。この期間を考慮して、計画的に進めることが重要です。
登録後も安心できない!「商標ウォッチング」の重要性
晴れて商標登録が完了しても、それで終わりではありません。登録された商標が、あなたの知らないうちに、第三者によって不正に利用されていないか、常に監視する必要があります。この監視活動を「商標ウォッチング」と呼びます。
特許庁のデータベースで、あなたの登録商標と類似する名称で、同じような商品・サービス分野に出願されている商標がないかを定期的にチェックします。もし、類似商標の出願や登録が見つかった場合は、「異議申立」や「取消審判」といった法的手段を用いて、自己の権利を侵害する可能性のある商標を排除することができます(参考:商標法第43条の2、第50条)。
これらの手続きには専門的な知識が必要となるため、弁理士に依頼するのが一般的です。商標ウォッチングは、年間数万円程度から依頼できるサービスもあります。大切なブランドを守り続けるために、継続的な監視体制を構築しましょう。
商標トラブルは弁理士へ!相談を成功させるための準備

「自分の商標なのに、先に他人に登録されてしまった!」そんな時、事業継続の危機に直面する方もいらっしゃるでしょう。しかし、諦めるのはまだ早いです。弁理士に相談することで、思わぬ解決策が見つかることもあります。特許庁も注意喚起しているように、悪意のある商標の先取り出願も存在します。
詳しくはこちら
特許庁「自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意)」をご参照ください。
この記事では、商標トラブルに強い弁理士に相談する前に、あなたが準備すべきこと、そして信頼できる弁理士の見つけ方について、法律と実務の両面から解説します。
弁理士に相談する前に準備すべき情報リスト
弁理士に相談する際、事前に情報を整理しておくことで、より的確でスピーディーなアドバイスを得られます。以下のリストを参考に、ご自身の状況をまとめてみましょう。
- 登録されてしまった商標の情報: 商標登録番号、登録日、登録されている商品・役務(サービス)などを正確に把握しましょう。
- ご自身の商標の使用状況: いつから、どのような商品・役務で、どのように商標を使用しているかの証拠(広告、ウェブサイト、製品パッケージなど)を準備します。商標法では、先に商標を使用した者(先使用権)が保護される場合があります。
- 相手方の商標登録出願の状況: 相手方がいつ出願し、いつ登録されたのか、出願番号なども分かれば準備しておきましょう。
- トラブルに至った経緯: 相手方とのやり取りや、なぜ商標が先に取られてしまったのか、その背景を具体的に説明できるようにしておきます。
- 事業への影響: 商標が取られてしまったことで、事業にどのような影響が出ているか、または出そうか、具体的に説明できるようにします。
- 希望する解決策: 「事業を継続したい」「ブランドを守りたい」など、最終的にどうなりたいのかを明確にしておくと、弁理士も提案しやすくなります。
詳しくはこちら
特許庁「あなたが考えたその商品名、本当に使って大丈夫ですか?」もあわせてご参照ください。
信頼できる弁理士の選び方と費用の目安
商標トラブルは専門知識が不可欠です。信頼できる弁理士を見つけることが、問題解決への第一歩となります。
- 商標分野の経験が豊富な弁理士を選ぶ: 商標登録だけでなく、異議申立、無効審判、取消審判などの経験が豊富な弁理士を選びましょう。ウェブサイトで、過去の解決事例や得意分野を確認するのがおすすめです。
- 初回相談を有効活用する: 多くの弁理士事務所では、初回相談を無料または低額で行っています。複数の事務所に相談し、説明の分かりやすさや、信頼できそうかを比較検討しましょう。
- 費用体系を事前に確認する: 相談料、着手金、成功報酬など、弁理士によって費用体系は異なります。具体的な金額や、どのような場合に費用が発生するのかを、事前に明確に確認しておきましょう。例えば、異議申立の着手金は、事務所によりますが、10万円~30万円程度が目安となることが多いです。成功報酬については、権利回復の度合いや経済的利益に応じて変動するため、事前にしっかり話し合うことが重要です。
- コミュニケーションが円滑か: 専門用語を避け、分かりやすく説明してくれるかどうかも重要なポイントです。疑問点や不安な点を気軽に質問でき、親身になって相談に乗ってくれる弁理士を選びましょう。
弁理士は、あなたの事業を守るための強力なパートナーとなり得ます。適切な準備と弁理士選びで、商標トラブルを乗り越え、事業の未来を切り拓きましょう。
まとめ

「自社の商標が、まさか他人に先に登録されてしまうなんて…」そんな事態に直面し、事業継続やブランド価値の維持に不安を感じていらっしゃるビジネス担当者・経営者の皆様。本記事では、弁理士が解説する、商標を先に取られてしまった場合の逆転戦略を7つご紹介しました。
冒頭で触れたように、特許庁は「最近、一部の出願人の方から他人の商標の先取りとなるような出願などの商標登録出願が大量に行われています。」と注意喚起しています。
詳しくはこちら
特許庁「自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意)」をご参照ください。
しかし、諦める必要はありません。商標権侵害が認められた場合、多額の損害賠償を請求される可能性もありますが、適切な法的戦略を取ることで、状況を打開し、事業を守ることが可能です。
詳しくはこちら
特許庁「あなたが考えたその商品名、本当に使って大丈夫ですか?」もご参照ください。
今回ご紹介した7つの戦略は、異議申立(商標法第43条の2)、取消審判(商標法第50条)、無効審判(商標法第46条)、商標権者との交渉・ライセンス契約、商標権の譲渡、先使用による使用権取得(商標法第32条)、不使用による権利消滅(商標法第50条)といった、法令に基づいた具体的なアクションプランです。
それぞれの戦略には、メリット・デメリット、そして実行するための条件があります。大切なのは、ご自身の状況を正確に把握し、どの戦略が最も有効かを見極めることです。もし、これらの戦略の適用や、具体的な進め方に迷われた場合は、商標の専門家である弁理士に相談することを強くお勧めします。専門家の知見を借りることで、より確実かつ効果的に、貴社の事業とブランドを守ることができるでしょう。本記事が、皆様の力強い一歩となることを願っております。
よくある質問
- Q1: 他社に商標が取られたかどうか、自分で調べる方法はありますか?
-
はい、ご自身で確認できます。特許庁が提供する無料のデータベース「J-PlatPat(ジェイプラットパット)」を使えば、誰でも登録されている商標を検索できます。会社名や商品名、ロゴなどを入力して調べてみましょう。ただし、検索結果の正確な判断は専門知識が必要です。少しでも不安な点があれば、自己判断せずに弁理士などの専門家へ相談することをおすすめします。
- Q2: ずっと前から使っていた名前なのに、後から登録した人に権利を主張されて困っています。何か対抗できませんか?
-
対抗できる可能性があります。「先使用権」という制度があり、相手が商標を出願する前からその名前を使い、あなたの事業として世間に広く知られていた場合、そのまま使い続けられることがあります。ただし、これを証明するには客観的な証拠が必要です。諦める前に、使用開始時期がわかる資料などを用意して、弁理士に先使用権を主張できるか相談してみましょう。
- Q3: 「無効審判」や「異議申立て」には、どれくらいの費用や時間がかかりますか?
-
ケースによりますが、弁理士費用を含めて数十万円からが一般的です。期間は、相手の対応にもよりますが、結論が出るまで1年から数年かかることもあります。決して簡単な手続きではありませんが、ブランドを取り返すための重要な手段です。多くの弁理士事務所では無料相談を行っていますので、まずはご自身の状況でどれくらいの費用と期間が見込まれるか、見積もりを取ってみるのが良いでしょう。
- Q4: 相手から商標権侵害の警告書が届きました。すぐに使用をやめなければいけませんか?
-
慌てて使用を中止したり、相手に連絡したりするのは待ってください。まずは冷静に警告書の内容が正当なものかを確認する必要があります。無視は絶対にいけませんが、安易に要求を飲むと不利になることもあります。権利関係を整理し、最適な対応方針を決めるためにも、まずは弁理士に警告書を見せて相談することが最善の策です。
- Q5: 交渉で商標権を買い取る場合、費用の相場はありますか?
-
残念ながら、商標権の譲渡価格に決まった相場はありません。数万円で譲ってもらえるケースもあれば、数百万、数千万円になることもあります。価格は、相手の事業状況やその商標の価値、交渉の進め方によって大きく変動します。個人で交渉すると高額な金額を提示されるリスクもあるため、専門家である弁理士を代理人に立て、冷静に交渉を進めることを強くおすすめします。
- Q6: 今後、同じトラブルを避けるために、いつ商標登録を出願するのがベストですか?
-
事業で使う名前やロゴが決まったら、「事業やサービスを開始する前」にすぐ出願するのがベストです。商標は「早い者勝ち」が原則なので、他社に先を越されるリスクをなくすことが重要です。事業が成功してから出願しようとすると、すでに取られていて使えなくなる可能性があります。将来の事業を守るための「保険」として、早めの出願を心がけましょう。
- Q7: 弁理士への相談費用はどれくらいかかりますか?
-
多くの法律事務所や特許事務所では、初回相談を無料または30分〜1時間で1万円程度の比較的安価な料金で設定しています。まずはそうした相談制度を利用して、問題の全体像や解決策の選択肢、正式に依頼した場合の費用感などを確認するのがおすすめです。複数の専門家に話を聞いて、信頼できるパートナーを見つけることが解決への第一歩です。
参考文献
- https://www.jpo.go.jp/system/trial_appeal/shubetu-shohyo-igi/index.html
- https://www.jpo.go.jp/system/trial_appeal/index.html
- https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/index.html
- https://www.jpo.go.jp/faq/yokuaru/trademark/shouhyou_seido_faq.html
- https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127
- https://www.jpaa.or.jp/intellectual-property/trademark/
- https://www.jpaa.or.jp/free_consultation/