商標の更新費用はいくら?10年・分割納付の料金を完全ガイド
目次
商標権を取得したあとも、10年ごとに更新手続きをしなければ権利は消滅してしまいます。
商標の更新費用は「特許庁へ納める更新登録申請料」と「特許事務所へ支払う代行手数料」の2つに分かれ、区分数や納付方法(10年一括か5年分割か)によって総額が変わることをご存じでしょうか。
この記事では、2022年4月改定後の最新の料金表をもとに、商標の更新費用の内訳と相場、費用を抑えるポイント、期限管理の注意点までをわかりやすく解説します。
この記事は以下のような人におすすめ!
- 商標更新のタイミングが近く、費用を確認したい人
- 10年一括と5年分割、どちらが得か知りたい人
- 更新期限を過ぎた場合のリスクを知っておきたい人
記事を読み終える頃には、自社の商標更新にかかる費用を正確に見積もり、納付方法や期限管理の判断ができるようになります。
この記事の監修者
岩原 将文
株式会社IP-RoBo(TM-RoBo運営会社) CEO 弁護士
主として、特許、著作権その他の知的財産権に関する相談、契約、訴訟等を行う。大学・大学院時代には、機械学習に関する研究を行っていた。
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商標の更新費用の全体像と総額の目安

商標の更新費用は、特許庁に納める更新登録申請料と、手続きを代行する特許事務所への手数料の2つで構成されます。まずは費用の全体像と、区分数ごとの総額の目安を押さえておきましょう。
商標の更新費用とは(定義と内訳)
商標の更新費用とは、商標権の存続期間を延長するために必要な費用の総称です。中心となるのは特許庁へ支払う更新登録申請料で、2022年4月の料金改定後は1区分あたり43,600円(10年分)と定められています。これに加えて、特許事務所へ依頼する場合は代行手数料が上乗せされます。自分で手続きをすれば代行手数料はかかりませんが、書類作成や期限管理の手間が増えます。費用の内訳を理解しておくと、予算の見通しを立てやすくなります。
区分数で変わる更新費用の総額目安
更新費用は区分(指定商品・役務の分類)の数に比例して増える点が重要です。特許庁費用だけで見ると、1区分なら43,600円、3区分では130,800円となり、区分が多いブランドほど負担が大きくなります。さらに特許事務所へ依頼すると、1件あたり数万円の手数料が加わります。複数の商標を保有する企業では、更新の時期が重なると年間コストがまとまった額になるため、早めの予算化が欠かせません。商標登録にかかる費用とあわせて把握しておくと安心です。
特許庁に納める更新登録申請料の料金表

更新費用の中核となるのが、特許庁へ納める更新登録申請料です。納付方法には10年分を一括で支払う方法と、5年ごとに分割して納付する方法の2種類があり、それぞれ金額が異なります。
10年分を一括で納付する場合の金額
10年分を一括納付する場合の更新登録申請料は、1区分あたり43,600円です。これは2022年4月1日の料金改定により、従来の38,800円から引き上げられた金額です。区分数に応じて金額は増え、2区分なら87,200円、3区分なら130,800円となります。10年分をまとめて支払うため、手続きの回数は10年に一度で済み、納付忘れのリスクを抑えられる点がメリットです。
| 区分数 | 更新登録申請料(10年分一括) |
|---|---|
| 1区分 | 43,600円 |
| 2区分 | 87,200円 |
| 3区分 | 130,800円 |
5年ごとに分割納付する場合の金額
更新登録申請料は、商標法第41条の2にもとづき5年ごとに分割して納付することもできます。分割納付の場合、前期5年分は1区分あたり22,800円で、5年後に後期5年分として同額の22,800円を改めて納めます。前期と後期を合計すると1区分45,600円となり、10年一括の43,600円より2,000円高くなります。初期の支出を抑えたい場合や、5年以内に使わなくなる可能性がある商標に向いた選択肢です。
| 納付方法 | 1区分あたり | 10年あたりの合計(1区分) |
|---|---|---|
| 10年分一括 | 43,600円 | 43,600円 |
| 5年分割(前期) | 22,800円 | 45,600円(前期+後期) |
詳しくはこちら
e-Gov法令検索「商標法(第41条の2)」をご確認ください。
10年一括と5年分割はどちらを選ぶべきか
結論として、長く使い続ける商標は10年一括、見直しの可能性がある商標は5年分割が向いています。10年一括は合計額が安く、納付のタイミングも一度きりで済みます。一方の5年分割は初期費用を約半分に抑えられますが、合計額が割高になり、5年後の納付期限を別途管理しなければなりません。ブランドの将来性と資金繰りを踏まえ、商標ごとに納付方法を選ぶことが費用の最適化につながります。
特許事務所・弁理士に依頼した場合の代行手数料相場

更新手続きを特許事務所や弁理士に依頼する場合は、特許庁費用に加えて代行手数料が発生します。手数料の相場と、自分で手続きする場合との違いを確認しておきましょう。
更新代行手数料の相場と内訳
更新の代行手数料は、特許庁費用に上乗せして1件あたり4万〜6万円程度が最も一般的です。日本弁理士会の調査では、更新登録申請の手数料は特許庁費用に加えて4〜6万円が54.6%、2〜4万円が37.6%を占め、平均は約42,857円でした。手数料には、申請書の作成、区分や指定商品の確認、期限管理、特許庁への提出代行などが含まれます。弁理士費用は事務所によって幅があるため、依頼の前に見積もりを取ることが大切です。弁理士への依頼の進め方も参考になります。
自分で更新手続きする場合との費用比較
自分で更新手続きを行えば、代行手数料の数万円を節約できます。必要なのは特許庁費用のみで、1区分10年一括なら43,600円で更新が完了します。ただし、商標権存続期間更新登録申請書を自分で作成し、電子出願の準備や期限管理をすべて自力で行わなければなりません。記載に誤りがあると申請手続が受理されないこともあるため、保有件数が多い場合や不安がある場合は専門家への依頼の方が安心です。費用と手間のバランスを見て、依頼するかどうかを判断しましょう。
商標更新の手続き期間と費用で損しないための注意点

更新費用を無駄にしないためには、申請できる期間と期限管理の仕組みを正しく理解することが欠かせません。期限を過ぎると割増費用が発生し、最悪の場合は権利そのものが消滅します。
更新登録申請ができる期間(満了前6ヶ月〜満了日)
更新登録申請ができるのは、商標権の存続期間が満了する前6ヶ月から満了日までの期間です。商標権は設定登録の日から10年で満了し、この期間内に更新登録申請をすれば、さらに10年間権利を延長できます(商標法第19条・第20条)。更新の回数に制限はなく、手続きを続ける限り半永久的に権利を維持できます。満了日は登録原簿で確認でき、特許庁からの通知はないため、自社での管理が前提となります。商標法(e-Gov法令検索)で条文を確認できます。
詳しくはこちら
e-Gov法令検索「商標法(第19条・第20条)」をご確認ください。
期限を過ぎた場合の割増(倍額)と回復
申請期間を過ぎても、満了後6ヶ月以内であれば更新登録申請ができますが、更新登録申請料の倍額を納める必要があります。たとえば1区分10年分なら、本来43,600円のところ87,200円と倍の費用がかかります。この6ヶ月の追納期間も過ぎると商標権は消滅し、同じ商標を再び取得するには改めて出願からやり直さなければなりません。余計な費用と権利喪失を避けるため、満了の半年前には更新準備を始めることが重要です。
更新時に見直したい区分と不使用のリスク
更新のタイミングは、登録している区分や指定商品が現在の事業に合っているかを見直す好機です。使っていない区分の分まで更新料を払うのは費用の無駄になり、3年以上使用していない商標は不使用取消審判によって取り消される可能性もあります。一方で、事業拡大により新たな区分が必要になった場合は、更新ではなく追加の出願が必要です。更新の前に商標調査で自社の権利範囲を整理しておくと、過不足のない更新ができます。
多数の商標を保有する企業の更新・期限管理を効率化する方法

保有する商標が増えるほど、更新期限の管理や調査の負担は重くなります。AIを活用した知財業務の効率化が、更新コストと管理リスクの削減につながります。
商標ポートフォリオの拡大で複雑になる更新管理
商標の保有件数が増えると、それぞれ異なる満了日を正確に管理する必要が生じます。更新期限を一件でも見落とせば、倍額の追納費用が発生したり、権利そのものを失ったりするおそれがあります。年間数百件から数千件の商標を扱う大企業では、調査・出願・更新を含む知財業務全体の標準化が課題です。ポーラ・オルビスホールディングスでは、年間3000件規模の調査業務効率化を目指してTM-RoBoを導入し、約2日かかっていた作業の短縮と人材育成に取り組んでいます(導入事例:ポーラ・オルビスホールディングス)。
AIを活用した調査・管理で知財業務を効率化する
更新や新規出願の前提となる商標調査をAIで効率化すれば、知財担当者の負担とコストを同時に減らせます。TM-RoBoは、AI称呼検索やAI商標検索によって類否の指標を素早く算出し、調査の属人化を防ぎます。商標登録件数が全国でも上位に入る小林製薬では、膨大な商標調査を効率化する目的でTM-RoBoを導入し、事業部による調査の内製化にも取り組んでいます(導入事例:小林製薬)。更新費用そのものは特許庁の料金で決まりますが、関連する商標調査の費用を含めた業務全体を見直すことで、知財コストの最適化を図れます。
よくある質問(FAQ)
- 商標の更新費用は1区分あたりいくらですか?
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特許庁へ納める更新登録申請料は、10年分一括で1区分あたり43,600円です。区分数が増えると、その分だけ費用も増えます。
- 更新費用は5年ごとに分割できますか?
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分割できます。前期5年分は1区分22,800円で、5年後に後期分として同額を納めます。合計額は10年一括より2,000円割高です。
- 特許事務所に更新を依頼すると手数料はいくらですか?
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代行手数料は特許庁費用に加えて1件4万〜6万円程度が一般的で、平均は約4万3千円です。事務所によって金額に幅があります。
- 更新の手続きはいつまでにすればよいですか?
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存続期間満了の6ヶ月前から満了日までに申請します。過ぎても6ヶ月以内なら倍額で追納でき、それも過ぎると権利は消滅します。
- 更新を忘れて期限が過ぎたらどうなりますか?
-
満了後6ヶ月以内なら倍額を払えば更新できます。その期間も過ぎると商標権は消滅し、再取得には改めて出願が必要です。
- 自分で更新手続きをして費用を抑えられますか?
-
自分で行えば代行手数料を節約でき、特許庁費用のみで更新できます。ただし申請書の作成と期限管理を自力で行う必要があります。
まとめ
商標の更新費用は、特許庁へ納める更新登録申請料が中心で、2022年4月改定後は1区分あたり10年一括で43,600円、5年分割なら前期22,800円です。特許事務所へ依頼する場合は、これに4万〜6万円程度の代行手数料が加わります。長く使う商標は10年一括、見直す可能性がある商標は5年分割と、商標ごとに納付方法を選ぶことで費用を最適化できます。
更新登録申請ができるのは満了前6ヶ月から満了日までで、期限を過ぎると倍額の追納や権利消滅のリスクがあります。保有する商標が多い企業ほど、期限管理と調査の負担は大きくなります。TM-RoBoのAI商標調査を活用すれば、更新前の権利確認や新規の調査を効率化し、知財業務全体のコスト削減につなげられます。
詳しくはこちら
特許庁「産業財産権関係料金一覧」および「商標法」をご確認ください。

