位置商標とは?認められる要件と具体例をやさしく解説
目次
商品の特定の位置に付けたラインやマークを、ブランドの目印として守りたいと考えたことはありませんか。その手段のひとつが位置商標です。位置商標とは、図形などの標章を商品の決まった位置に付けること自体を権利として登録する、新しいタイプの商標です。ただし登録には識別力という要件があり、ハードルは低くありません。本記事では、位置商標とは何かを定義から整理し、認められる要件・図形商標や立体商標との違い・出願方法までを、商標法の条文をもとにやさしく解説します。
この記事は以下のような人におすすめ!
- 商品の特定位置に付けたラインやマークをブランドとして守りたい人
- 位置商標が認められる要件を知りたい人
- 位置商標と図形商標・立体商標の違いを整理したい人
記事を読み終える頃には、位置商標が認められる条件と、出願時に注意すべきポイントが具体的に分かるようになります。
この記事の監修者
岩原 将文
株式会社IP-RoBo(TM-RoBo運営会社) CEO 弁護士
主として、特許、著作権その他の知的財産権に関する相談、契約、訴訟等を行う。大学・大学院時代には、機械学習に関する研究を行っていた。
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位置商標とは?意味をわかりやすく解説

位置商標とは「標章を付ける位置で構成される商標」
位置商標とは、図形や記号などの標章を、商品の特定の位置に付けることで構成される商標です。標章の形だけでなく、それを「商品のどの位置に配置するか」までが権利の要素になります。たとえば、スニーカーの側面の決まった位置に入れるラインや、ズボンの後ろポケットの角に付けるタグのような使い方が、位置商標の考え方です。位置と標章の組み合わせを、ブランドの目印として守ります。
2015年に導入された新しいタイプの商標
位置商標は、2014年の商標法改正により、2015年4月1日から商標登録できるようになった制度です。動き商標・ホログラム商標・色彩のみの商標・音商標とともに、新しいタイプの商標として追加されました。それまで保護しにくかった「位置によるブランド表現」を、商標として守れるようになった点が大きな変化です。世界的にも、こうした新しい商標を保護する流れが広がっています。
位置商標の具体例(イメージで理解する)
位置商標は、具体例で考えると分かりやすくなります。たとえば、バッグの特定の位置に常に同じマークを配置する、靴の決まった箇所に同じ図形を入れる、といった使い方です。消費者がその位置とマークを見て「あのブランドだ」と分かるなら、位置商標として機能します。実際の登録例は、特許庁の公開情報で確認できます。
位置商標が認められる要件とポイント

位置商標が登録されるかどうかは、識別力があるかで決まります。要件と判断のポイントを整理します。
要件は識別力があること(商標法第3条第1項各号)
位置商標の登録要件は、識別力があることです。識別力とは、その標章と位置の組み合わせを見た需要者が「どこの会社の商品か」を見分けられる力を指します。商標法第3条第1項各号は、ありふれた標章のみからなる商標などは登録できないと定めています。よくある位置に一般的なマークを付けただけでは、目印として機能せず登録は認められません。位置と標章の独自性が問われます。
詳しくはこちら
e-Gov法令検索「商標法」をご確認ください。
使用による識別力で登録される例が多い傾向にある(第3条第2項)
位置商標は、識別力が認められないと判断された場合、長年の使用で消費者に広く知られた結果、識別力を得て商標登録される例もあります。商標法第3条第2項は、長年にわたり使用された結果、需要者が出所を認識できるようになった商標は登録できると定めています。特定の位置のデザインがブランドとして浸透している実績を示せるかが、登録の鍵になります。
詳しくはこちら
e-Gov法令検索「商標法」をご確認ください。
認められる場合・認められない場合の違い
認められるかどうかは、位置と標章の組み合わせが出所の目印として働くかで分かれます。長年同じ位置に同じマークを使い、消費者に定着している場合は認められやすくなります。逆に、機能上どうしても必要な位置や、誰もが使うありふれた配置は認められません。自社だけの特徴的な位置使いであるほど、登録の可能性が高まります。
位置商標のメリットとデメリット

位置商標には、長く守れる利点と、立証が難しいという課題の両面があります。図形・立体商標との違いとあわせて公平に整理します。
メリット:特徴的な位置のデザインを長く守れる
最大のメリットは、特徴的な位置のデザインを長期に独占できることです。商標権は登録から10年で終了しますが、更新登録の申請により何度でも更新でき、使い続ける限り半永久的に維持できます(商標法第19条)。ブランドの象徴になった位置使いを、模倣から長く守れます。デザインの新しさを問われない点も、長く使う表現には有利です。
詳しくはこちら
e-Gov法令検索「商標法」をご確認ください。
デメリット:識別力の立証が求められる場合がある
デメリットは、識別力が認められないと判断された場合に、位置と標章の組わせがブランドとして定着していることを、販売実績や宣伝広告資料等を示す必要がある点です。このため、発売して間もない段階では、商標登録が困難な場合もある点です。
図形商標・立体商標との違い
位置商標は、図形商標や立体商標とは保護する切り口が異なります。図形商標は標章の図柄そのものを、立体商標は立体的な形そのものを守ります。これに対し位置商標は、標章を「付ける位置」を守る点が特徴です。同じマークでも、位置に意味があるなら位置商標、形自体が重要なら立体商標と、守りたい要素で選びます。
位置商標の出願方法と調査の進め方

位置商標の出願には、通常の商標とは異なる記載が必要です。手続と、出願前の調査について解説します。
出願時は願書にその旨を記載する(商標法第5条)
位置商標を出願するときは、願書に「位置商標である旨」を記載する必要があります。商標法第5条第2項は、経済産業省令で定める商標について、その旨を願書に記載しなければならないと定めています。位置商標はこの省令で定める商標にあたります。あわせて、標章を付ける位置が分かるように、図や説明で商標を特定することが求められます。通常の商標より記載の正確さが重要です。
詳しくはこちら
e-Gov法令検索「商標法」をご確認ください。
出願前に類似する商標を調べる
出願の前には、似た商標がすでに登録されていないかを調べることが欠かせません。先行する登録商標を見落とすと、拒絶されたり、後から紛争になったりする恐れがあるからです。位置商標は図形商標との類否も問題になるため、関連する商標を幅広く確認する必要があります。出願前の先行調査が、手戻りを防ぐ近道です。
商標調査をAIで効率化してリスクを下げる
商標調査は、対象が増えるほど負担が大きくなります。AIを活用すれば、精度を保ちながら調査時間を短縮できます。光陽国際特許事務所では、TM-RoBoの活用で調査業務を効率化し、作業負担の軽減を実現しています(導入事例:光陽国際特許事務所)。福島特許事務所でも、TM-RoBoを調査体制に取り入れています(導入事例:福島特許事務所)。調べてから出願することが、確実な権利化につながります。
よくある質問(FAQ)
- 位置商標と図形商標は何が違いますか?
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図形商標は標章の図柄そのものを守ります。位置商標は、標章を商品のどの位置に付けるかを守る点が違いです。位置に意味がある場合に位置商標が向きます。
- 位置商標は誰でも登録できますか?
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識別力があることが要件です。ありふれた位置や機能上必要な配置は登録できません。使用により位置とマークがブランドとして定着していれば、登録の可能性が高まります。
- 位置商標の存続期間はどのくらいですか?
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商標権の存続期間は登録から10年です(商標法第19条)。更新登録の申請により何度でも更新でき、使い続ける限り半永久的に維持できます。
- 位置商標の登録例にはどんなものがありますか?
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商品の特定位置に付けたラインやマークが登録された例があります。具体的な登録例や登録番号は、特許庁の公開情報で確認できます。
- 出願前にまず何をすべきですか?
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似た商標がないかを調べる先行調査が第一歩です。位置商標は図形商標との類否も問題になるため、関連する商標を幅広く確認することが大切です。
まとめ
位置商標とは、図形などの標章を商品の特定の位置に付けることで構成される、新しいタイプの商標です。2015年に導入され、識別力があることが登録の要件になります。位置と標章の組み合わせは識別力が認められにくい場合もあり、使用による識別力により商標登録される例もあります。
位置商標は、特徴的な位置のデザインを更新しながら長く守れますが、識別力の立証が求められる場合もあります。。出願時は願書への記載が必要です。出願の前には、図形商標も含めた先行調査が欠かせません。TM-RoBoのAI商標検索を活用すれば、調査を効率よく進められます。要件の判断が難しいケースは、弁理士など専門家に相談しながら進めましょう。
詳しくはこちら
e-Gov法令検索「商標法」および特許庁「商標の種類(新しいタイプの商標)」をご確認ください。
参考文献・出典
- 出典:商標法 第3条・第5条・第19条(e-Gov法令検索)
https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 出典:特許庁「商標の種類(新しいタイプの商標)」
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/newtype/index.html - 出典:特許庁「商標審査基準」
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/kijun/index.html - 導入事例:光陽国際特許事務所(TM-RoBo)
https://ip-robo.co.jp/tm-robo/case/case-752/ - 導入事例:福島特許事務所(TM-RoBo)
https://ip-robo.co.jp/tm-robo/case/case-741/