【TM-RoBoの機能紹介】商標検索 – 1. 既存データベースの課題
今回から数回に渡り、TM-RoBoの最大の特徴でもある<商標検索>について詳しくご紹介いたします!
TM-RoBoの<商標検索>とは
漢字やアルファベットを含む表記通りの商標を入力するだけで、類似する出願・登録商標の有無を検索できます。今回は、TM-RoBoから<商標検索>が生まれた背景をお伝えするべく、文字商標の調査を行う際に利用する商標データベース(以下、商標DB)の既存サービスが持つ課題について考えていきます。
文字商標調査における既存商標データベースサービスの問題と原因
文字商標の調査を行う際に使用する既存の商標DBサービスには、2つの大きな課題があると考えています。
1.文字商標検索では称呼検索ができない
これまでの商標DBサービスは、通常、称呼検索と文字商標検索の2つの機能を持っていますが、表記通りの商標(「秋桜」、「COSMOS」等)の検索を行っても、完全一致する商標の判別ができるという程度にとどまります。
また、入力された文字列そのものを対象にしているだけで、称呼情報はないため称呼に関する検索は全くできません。
このため、「秋桜」を調査する場合には、「秋桜」から生じる称呼を自分で考えて、別途、称呼検索を行う必要があります。ちなみに、「秋桜」から生じる称呼は「コスモス」だけでなく、「アキザクラ」も考えられるため、全ての生じうる称呼を全て列挙・称呼検索をする必要があるため、調査者に大きな負担を課されているのが実状でした。
これに加えて、入力称呼との部分一致検索か、それに類する程度の検索しかできないため、大量のヒット商標が無作為に羅列されたリストが出力されるだけであり、本当に危険なヒット商標があるか否かを調査者がしらみつぶしに判断するしかありません。
上記のことから、表記通りの文字商標を入力して行う文字商標検索ではその文字商標の称呼検索ができないため、調査者に多大な負担がかかっていました。
2.結合商標の処理に事実上対応していない
商標は単一語からなる場合だけでなく、複数語からなる「結合商標」の場合も多く、実務上はこの結合商標処理が非常に重要です。
この場合、下記のような手順での判断が必要となります。
1. 結合商標内に含まれる単一語に区切る
2. 単一語の組合せ語毎に類似する出願・登録商標があるかを調査する
3. 各組合せ語が要部として分離観察されるか否かを判断する
調査者は、図の通り6つの組合せ語それぞれの称呼検索を行ったうえで、要部認定される可能性を判断することが必要となります。この判断は、非常に煩雑で抜け漏れを生じやすいだけでなく、高度な専門的判断力が要求されるため、調査者の膨大な負担になりかねないのが現状です。
上記の2つの問題から、結合商標の調査は限られた専門家にしか行うことができないうえに、その専門家に対しても非常に複雑な処理と判断を要求されることから、時間とコストがかかる大きな原因となり、商標調査の質と量を確保することが難しいことがわかると思います。
まずは、文字商標調査における既存の商標DBサービスにおける問題点をご紹介させていただきました。次回はこの問題に対し、TM-RoBoの<商標検索>にしかできない解決方法をお伝えいたします!