既存システムとTM-RoBoの違い
こんにちは、株式会社IP-RoBo CEOの岩原です。
前回の「TM-RoBoとは?」に続き、今回は「既存の調査システムとTM-RoBoの違い」についてお伝えします。
一般的な商標調査
商標調査は、民間の商標データベースサービス(以下、商標DBサービス)や特許庁の関係団体INPITが提供するJ-PlatPatを利用して行うことが一般的です。J-PlatPatに関しては、以前に比べると機能が充実してきていることもあり、大量に商標出願されている企業や特許事務所でも、J-PlatPatのみで調査しているところも少なくないようです。しかし、これらの既存商標DBサービスは専門的知識を有することが前提とされているうえ、かなりの負担を調査者に強いているのが現状です。
既存の調査システムの現状
既存の商標DBサービスは、入力称呼に対してある程度の曖昧さを許容した「部分一致検索」しか行うことができないのが一般的です。そのため、検索結果はそれほど似ていない登録商標もヒットしかねず、入力商標との類似度合とは無関係に羅列して表示されます。
また、最近は、出力結果数が引き上げられたことで(J-PlatPatのヒット数は最大3000件)、場合によっては、莫大な商標が類似度合と関係なく羅列されます。そのため、調査者は、この検索結果の一つひとつの類否を自ら判断しなければならず、膨大な手間ひまをかけることを強いられていました。
さらに、民間の商標DBサービス、J-PlatPatのいずれについても、実務的に重要な複数語からなる結合商標の処理にはほぼ対応していないため、調査者自ら調査商標を複数語に分割し、考え得る組合せごとに検索する必要があり、1つの商標を調査するだけで気の遠くなるような手間がかかっているのが現状です。
そのうえ、各組合せが要部認定されるか否かという極めて専門性が高い判断について、客観的な指標なしに、自身の経験等から判断することが求められていました。このため、実際にネーミングを行う事業部や商品開発部などの方にとっては、結合商標の調査をすることは極めて困難な業務となっていました。
専門家・非専門家それぞれにTM-RoBoが提供できること
TM-RoBoでは、過去の審決等を網羅的に機械学習等したAIによって、「ヒット商標との称呼の類否統計指標」「結合商標における各語のインパクト値(語力統計指標)」「各組合せ語の注目度合」「総合指標」等の様々な指標を数値化して表示し、必要に応じて数値順に並び替えることができます。
これにより、専門家にとっても、効率的かつ客観的に判断することが可能となり、調査効率は導入前に比べて、単純な称呼調査で5〜10倍、結合商標では更にその数倍から数十倍にもなると考えられます。さらに、商標調査になじみのない一般の方にとっても、各指標を踏まえた総合指標により、結合商標のファーストスクリーニングを行うことが十分可能になります。
TM-RoBoの導入により、専門家にとっては導入前では考えられないくらい効率化と客観化が進み、専門家でない一般の方にとっては商標調査に対する不可能が可能になると考えています。
次回は、TM-RoBoの導入によって個別の商標調査以外に与える影響についてお伝えします!
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[ 執筆者 プロフィール ]
岩原 将文 /株式会社IP-RoBo CEO
2000年弁護士登録。
主として、特許、著作権その他の知的財産権に関する相談、契約、訴訟等を行う。
大学・大学院時代には、機械学習に関する研究を行っていた。
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お問い合わせ:info@ip-robo.co.jp
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