#04 みなとみらい特許事務所さま

プロフェッショナルが考える知的財産権とAIの未来

はじめに

今回は、知的財産に関する包括的なサービスを提供しつつ、日本有数の商標出願代理事務所でもあるみなとみらい特許事務所の所長弁理士 辻田朋子先生と弁理士 下田一徳先生にインタビューをさせていただきました。これまでの企業ユーザ様とは異なる、弁理士としての視点でたくさんのご意見を頂戴しております。専門家だからこそ感じている商標とAIへの未来について、ぜひご一読ください!

 

※敬称略
Q、TM-RoBoを知ったきっかけは?

辻田(所長弁理士):数年前から商標調査や特許調査のAIツールをずっとウォッチしていたので、TM-RoBoも当時のβ版から知っていました。その後、2020年あたりから補助者の商標業務をより良くしていくためのツールを具体的に探し始めた際に、改めてTM-RoBoを検討させていただきました。

 

 

 

Q、TM-RoBoの最も魅力に感じた点は?

下田(弁理士):その時に私も当時のJ-PlatPatをはじめとする調査ツールの不足している点を補うツールがあればと思い、色々と比較してみた中で、TM-RoBoは他ではやっていない「結合商標調査」をできるということで目に入りました。これまでは、結合商標の中からひとつずつ抜き取り、手作業で調査を進めていたのに対し、 TM-RoBoは一回入力するだけで分割から組み合わせまでAIが行ってくれるので、面白いと思いました。

 

 

 

 

 

Q 、導入の決め手はなんですか?

辻田:具体的に課題解決に直結するというよりは、そのツールに特徴があり、日々の業務をよりよくするための可能性を見出せるのであれば試してみるという経営的な視点で導入しました。実際に TM-RoBoのようなAIツールを活用することで、現在の商標調査におけるテクノロジーが、どのくらいのレベルに達しているのかを客観的に知ることもできますし、新たな課題発見にも繋がると考えています。

特にこのようなツールは、弁理士に実際に使用してもらうことで“どこまでAIの方が強くてどこから自分たちがやるべきことなのか”ということを明確にしていく必要があると考えています。牽制し合うのではなく、お互いに役割分担することにより、この業界により良いもの、より良いスキルを残していくことができればと思っています。

 

 

 

Q、特許事務所だからこそ感じる商標調査に対する課題とTM-RoBoへの可能性

辻田:商標調査には、質という面からみると大きく2つの課題があると感じています。まず1つ目は、見落とさないということ。そして2つ目は、案件ごとに弁理士のこれまでの経験や法的知見に基づく人的な判断力が必要ということ。

 

いくら個別の判断力が優れていてもひとつ見落としが起きると、元も子もない話になってしまうので、この2つが揃って初めて、質の良い商標調査が行えると考えています。だからこそ、多量の商標の中から一度でも見落としが発生しないよう、TM-RoBoの強みを活用してみたいと思いました。土台を整えた上で、弁理士にしかない判断力により全体の質の向上を図りたいと考えています。

また、量に関しても、見落としてはいけないという点で、必要以上に時間をかけ過ぎてしまいがちなところを、TM-RoBoで類似度順に一覧でチェックできる点は非常に良いと思います。弊所の場合、中小企業様からのご依頼も非常に多く、商品名やブランド名を決める際に、多数の候補を出し、一斉にスクリーニングをかけるという場面が多くあるため、まずはAIによって一次スクリーニングを自動化し、なるべく少ないアクションで調査を進める必要があると考えています。

 

 

 

Q、TM-RoBoを使用することで商標に関する新しい気づきは?

下田:AIを通して商標を見ることで、客観的に商標の奥深さをふと感じることがあります。話す表現とは異なり、とても短い言葉に想いやイメージが集約されているのが商標なので、改めて言語の複雑さに触れています。

商標に関わる仕事をしていると、造語にもたくさん出会います。そこには、AIでは抽出できないような、人の経験や感覚などに基づいて初めて抽出できる想いやイメージがあります。だからこそ、見る人によって判断が異なってくるのだと思います。ある意味、生き物ですね。以前と同じような構成だから同じ判断が下されるというわけではなく、時代によって人によっても変化していくものなので、生き物を扱うという感覚があります。人間にできることとAIにできること、それぞれの役割は明確に棲み分けがあり、それらを組み合わせることでより良いパフォーマンスがだせると思っています。

 

 

 

Q、特許事務所からみるAIへの印象は?

辻田:もしかしたら、自分の仕事が奪われてしまうのではないかと懸念している方もいらっしゃるのかもしれませんが、弊所では常に考え方は変えていく必要があると考えています。新しいAIツールが出てきたら、「何を目的としてそのツールを使うのか」今まで必要とされていた仕事のユニットをちゃんと定義し直して、改めて我々がやるべきことは何なのかを考え、変えるべきだと思います。もともときちんとフローや定義がある大規模な企業にとっては、再定義することや変えることは、少し負担が大きいのかもしれませんが、我々は比較的それをストレスに感じない組織ではあります。

 

下田:そうですね。常に、良いところは取り入れて柔軟に改善していくという点においては、我々の組織の強みかもしれません。

 

 

 

Q、みなとみらい特許事務所の目指す未来

辻田:特許事務所や法律事務所のイメージ的にクローズドな世界という印象があるかもしれませんが、弊所は常にチャレンジしていくことを大事にしています。創業初期から、みんなでアンテナを張り、「何かより良くなるものはないか」と自然に探す姿勢が染み付いていると思います。

やはり、専門的な判断を行うプロフェッショナルとして、お客様からご依頼をいただく以上、自分たちの判断に責任を持って対応しています。ただ、どうしても人間なので見落としなどのミスが発生してしまう可能性もゼロではありません。だからこそ、弁理士本来の専門家としての特徴をよりよく活かすためにTM-RoBoのようなAIツールをセーフティーツールとしても活用して、土台を固めていきたいです。

また、知財業務のDX化において、昔は書類仕事のイメージが強い世界でしたが、今は、調査ツールや管理など事務所でIT化されている部分も多くあります。だからこそ現状に満足するのではなく、更なるアップデートを目指すことで人的なミスを徹底して防ぎ、業務を完結させていく未来がよりリアルに実現できるようになっていくと思っているので、我々も引き続きキャッチアップしていきたいと思っております。

 

(取材日:2021年12月21日)

 

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TM-RoBoユーザとして弁理士の皆様に直接お話を伺うのは初めてでしたので、専門家視点でのお話をたくさんお聞きでき、弊社としてもとても勉強になりました。みなとみらい特許事務所様、この度は貴重なお時間をありがとうございました!

◆商標調査のDX化を目指す企業様、特許事務所様
本インタビューを読み、少しでも商標調査ツール「TM-RoBo」にご興味お持ちいただだけましたら、お気軽にinfo@ip-robo.co.jpへ直接お問い合わせくださいませ。